翔べ!ほっとエイジ〜人生100年時代の歩き方トーク

By: 相川浩之(100年ハイカー)
  • Summary

  • 人生100年時代の歩き方を考えるトーク番組 • 時代の変化が激しい。コロナ禍が、社会のデジタル化を加速。2025年には団塊の世代が75歳以上となり、本格的な超高齢社会が到来する。地球温暖化や貧困、戦争など、グローバルに解決しなければならない問題にも直面している。 • ところが本来、知見を伝えなければならないシニア世代と、若者世代の間に深刻なコミュケーションギャップがある。時代が変わっても過去の経験や知識が無駄になるわけではないが、シニア世代も時代の変化についていけず、自信を失っている。 • 18歳で成人になったばかりの若者から、学び直したい大人まで、混迷の時代に知っておきたい知識、情報をお伝えする。
    相川浩之(100年ハイカー)
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Episodes
  • 第30回は、澁谷智子成蹊大学教授にヤングケアラー支援の法制化について聞く
    May 20 2024
     今回のゲストは、ヤングケアラー研究の第一人者である成蹊大学文学部現代社会学科教授の澁谷智子(しぶや・ともこ)さん。  政府はヤングケアラーを「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」と定義。09年に成立した「子ども・若者育成支援推進法」を改正して、国や自治体が支援に努める対象にヤングケアラーを追加する考えだ。改正案は今国会に提出された。ヤングケアラー支援が法制化されるとどうなるのか。  澁谷さんは「最終的には人の問題」と話す。  「話をちゃんと聞いて、何が必要となってくるかということをほぐして、子どもたちが選択肢を持ち、頑張れる環境というものを確保できるように、(仕組みを)どう作っていくか。法制化はそうした後押しになると思う」。  澁谷さんは「学校という場を効果的に使っていくことが必要」と強調する。  「なんでもかんでも先生がやるというのは、先生の働き方改革が進む中で難しくなる。でも、学校というのは、子どもたちのことを中心にして考えられた場で、子どもにとっては“行くのが不自然にはならないところ”。子どもたちにとって、この先、生きていくときに役に立つ情報というものが教えられたり、先生たちが新しい制度について知ったりケアを実際に経験したことのある人の話を聞いたりして『子どもがこういう状況になった時にどういうサポートができるだろうか』ということを具体的に思い描くこともできる。授業の一環として、みんなで考えて調べてみることもできる。子どもを通して、アップデートされた情報が親に届く可能性もある。学校という場を上手に使っていくというのはすごく大事だと思う」と語る。   ヤングケアラーは「18歳未満」と定義されることが多かったが、今回の法案では、18歳以上の「若者」も支援対象に加えられた。  「こども家庭庁のヤングケアラーの定義などでは、18歳未満という年齢を明記しないようになってきた。ヤングケアラーの子どもたちが18歳を過ぎるとケアが終わるかと言うとそういうことはなく、18歳以降もケアは続く。また、大学生に対する調査結果なども加味すると、大人への移行期にもある程度サポートが必要ではないかという話になって、18歳未満と言わなくなった」と澁谷さん。  「一方で、ヤングケアラーのライフステージや関心事は、中高生のときと18歳を過ぎてからはちょっと違ってくる。18歳を過ぎると、親の家を出るとか、進学あるいは就職をどう考えていけばいいのか、というときの情報収集や相談や決断の後押しが必要になる。ケアを抱えながらも高等教育機関でやっていけそう、働くことと両立できそう、という見通しを持つことがとても大事。そうした相談が学校の中で完結していた中高生時代とは違う。イギリスなどでは18歳から25歳くらいまでを『ヤングアダルトケアラー』と呼んでいる」。  澁谷さんは2024年に出版された『コーダ 私たちの多様な語り』(生活書院)についても言及。「聞こえない親を持つ聞こえる子どものことを指す「コーダ」という言葉が広まる一方で、コーダのイメージが固定化してきていると感じたので、コーダには多様な生き方があり、ヤングケアラーではないコーダもいる、そうしたことを理解してもらうために本を書いた」と語った。
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    24 mins
  • 第29回は、澁谷智子成蹊大学教授に、なぜヤングケアラーに注目が集まっているかを聞く
    May 20 2024
     今回のゲストは、ヤングケアラー研究の第一人者である成蹊大学文学部現代社会学科教授の澁谷智子(しぶや・ともこ)さん。  澁谷さんが「ヤングケアラー」という言葉に出会ったのは2005年の学会。自身が子育てと仕事の両立で悩んでいた時に、学校と母親のケアをどうにか両立させたいとしている10代の子どもの手記を読んで、「胸を打たれた」と澁谷さん。     「私は大人なので保育園の情報とかを自分で探すこともできたが、ヤングケアラーは情報をどこで得ればいいかもわからない。周りの子とちょっと違う状況になっているんだけれども、誰に相談すればいいかもわからない。まず彼らのことがしっかり伝わるように書いてみたいと思った」と振り返る。  「ヤングケアラーが今、これだけ注目されているのはなぜ?」という問いに対し、澁谷さんはデータなども示して解説してくれた。  「子どもの頃、『おしん』というドラマを見たが、おしんの時代は子どもが働いたり子守りをしたり、もっと言うと児童労働していることも普通にあった。でも、その後、日本が高度経済成長で豊かになっていくと、家族の中での分業が進むーー」。  「お父さんがメインで働いて、お母さんが家のこと、子どものこと、あるいは地域のことを受け持つ。子どもは自分のために時間を使えて、勉強とかいろいろな体験を広げることが望ましい、という考え方が広がる。そうした形が「標準的」な家族の姿として共有されていく」。  「そこでは子どもが介護を担ったり、子どもがきょうだいの世話をしたりするのが、以前のように共有されなくなった。子どもが介護やきょうだいの世話をすることが驚かれる時代になって、話をしても『それは大変だね』と言われるだけで、話す機会、聞いてもらう機会がなくなっていった」。  そして4枚のスライドで、澁谷さんは、子どもが家の中の仕事を受け持たざるを得なくなった状況を詳しく説明した。  澁谷さんは昨年、こども家庭庁が行ったヤングケアラー支援の効果的取り組みに関する調査事業に携わった。  「ヤングケアラーとその家族が利用してよかったサービスについて聞いたところ、“話を聞いてもらったことが精神的な面で大きかった”という答えが中高生に多かった」と澁谷さん。  「小学生くらいの子どもだと、お母さんがどうしたら楽になるかということを考えているので、“家事”といった答えが多かったが、中高生くらいになると、“母親の話を聞いてくれる”あるいは“子どもである自分の話を聞いてもらうことによって、親が『子どもが相談できている相手がいる』と思うことで安心する”、“自分自身の進学や進路を、こんなふうに考えたらどうかとか、学校に行くのは無理と思っていたがこういう方法がある、といった相談ができた”という答えが多かった」と言う。  一方で、支援に繋がったことによって、ありがたいと思う半面、「ヤングケアラー」という言葉を聞くのはすごくつらいという親の声もあったという。  澁谷さんは「子どもにケアをしてもらっているところはあるかもしれないけれど、親として子どもの話を聞いたり、子どもが望むことをしてあげたいという気持ちを持っていたりする部分もある。それが完全に『ケアを受ける側』とされてしまうのは、納得がいかないところがあるかもしれないと思う」と語る。  「子どもが親を思って、親が子どもを思ってきた家族のこれまできたあり方を、大事にしたいと思っているヤングケアラーやその親の関係が、大事にされるようなサポートのあり方があるといいなと思う」。  ヤングケアラーが取り上げられると、マスメディアではすぐに「支援をどうする」という話になることが多いが、澁谷さんは「支援と言われると『いや、大丈夫ですから』みたいな答えになってしまう。『もう少し時間あったらどうしたいの?』といったふうに、何気なく聞いてくれたときに初めて、子どもたちは『自分は何したいんだろう』みたいなことを考えるきっかけができたりする。日常的なやり取りの中で自分をほぐしていくとか整理...
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    34 mins
  • 第28回は、東京大学高齢社会総合研究機構・機構長の飯島勝矢さんが地域包括ケアと在宅医療を検証する!
    May 13 2024
     今回のゲストは、東京大学高齢社会総合研究機構・機構長の飯島勝矢(いいじま・かつや)さん。  飯島さんは2020年より東京大学高齢社会総合研究機構・機構長、および未来ビジョン研究センター教授。老年医学、老年学が専門で、特にフレイル予防を軸とした超高齢社会の総合まちづくり研究、在宅医療・介護連携推進を軸とする地域包括ケアシステムの構築などの研究で実績をあげている。  後半のテーマは「地域包括ケアシステム」。  「地域包括ケアシステムは、パッケージがあってそれを導入しせんか?というものではなくて、自分たちでその意味や、やるべき方向性を考えて作る、というのが一番重要」と飯島さん。  目の前にあるものでどうにかうまくやっていかなければならず、当然都心部の地域包括ケアと地方での包括ケアは全く異なるものになる。  「医師の連携も2011年ごろは悪かった。在宅利用をしている医師からみると、なぜ病気がここまで悪化する前に地域に委ねてくれなかったんだというクレームがあったし、病院の医師からは、地域に送り出したのに、すぐ再入院させるというクレームがあった」と振り返る。「しかし、地域包括ケアシステムも成熟してきたのか最近はそうしたクレームはほとんどなくなり、互いをパートナーと見るようになってきた」という。  飯島さんは、診る相手が病人である前に生活者だということを実感するある体験を語る。  患者の生活の場を知ることがいかにその人を診ることに役立つか。地域包括ケアの原点を見たという。  それをきっかけに東大の医学部の外生に在宅医療を体験させる実習を設けた。  病院と地域の連携というテーマで避けて通れないのが、入院関連機能障害(Hospitalization-Associated Disability:HAD)の問題。病気の症状は改善したが、入院により日常生活動作が低下、ほとんど寝たきりになってしまうような状態を指す。なぜ病院で退院後の暮らしをイメージするようなケアができないのか。  飯島さんは「10年、20年前よりは、病院のドクター陣もHADを意識し始めていると思うが、もっと生活に戻すということを中心的なテーマとして考える必要があるが、そこまではいっていない」と話す。「あまり機械的なルールを設けたくはないが、そこはある程度義務として取り組まないとダメな気もしている」。  また、病院と地域の連携も必ずしもうまくいっていない実例も多い。  飯島さんは「病院は、在宅医療という言葉は知っていても、全体の医療上のコントロールの中の重要な選択肢にはなっていないのかもしれない」とも語る。  話は「かかりつけ医」にも及び、かかりつけ医についての議論も交わされた。  外来の医師にしても在宅の医師にしても患者や家族が「医療は先生に委ねているんです」というくらいの関係になることが医療というものに携わる以上不可欠ではないかと飯島さんは見る。  そういう医師のイメージについて、飯島さんは言う。  「訪問医療ならば、その先生が来てくれることが楽しみになる。先生はいろいろな愚痴も聞いてくれる。しかし、いや、それは違うとびしっと発言もする。硬軟取り混ぜて、フランクに何でも相談できる」  そして地域連携がうまくいくためにはすべての職種が必要だが、「あえて言えば、訪問看護師とケアマネジャーはサッカーのツートップに当たる」と飯島さん。医学部の学生も医師だけでなく、多職種の方に同行。「学びは多かったようだ」と言う。  「患者、家族と医療チームが治療方針について随時話し合うACP(アドバンス・ケア・プランニング)についても、終末期だけでなく、少なくとも50代くらいから行うべき」と飯島さん。その際は認知症になってしまったとき、資産はどう管理するかといった問題なども幅広く関係者で論じておくといい」と言う。  飯島さんはいま、多職種で使える簡単なQOL指標を作ろうとしている。  この場合、ライフには三つの訳し方があるという。  一つ目が、生命、命。  二つ目が、生活、暮らし  三つ目が、人生、生きがい    この三つのうちどれか一つではなく、どれにも配慮...
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    1 hr and 1 min

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