• 第33回は、経営コンサルタント/投資家の岩崎日出俊さんに聞く(上)「10年、20年後の世界が信じられるならば株式投資を」

  • Apr 27 2025
  • Length: 40 mins
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第33回は、経営コンサルタント/投資家の岩崎日出俊さんに聞く(上)「10年、20年後の世界が信じられるならば株式投資を」

  • Summary

  •  今回のゲストは、経営コンサルタントで投資家の岩崎日出俊(いわさき・ひでとし)さん。

     岩崎さんは、1977年日本興業銀行(当時)に入行後、スタンフォード大学に留学し、経営学修士(MBA)を取得。1998年以降、JPモルガンやメリルリンチ、リーマン・ブラザーズの投資銀行部門でマネージング・ダイレクターを歴任。2003年に経営コンサルティング会社「インフィニティ株式会社」を起業。代表取締役を務めている。

     日本の高齢者世帯(65歳以上)の平均年収は304万円で、アメリカの同世帯の平均年収1200万円と比べて4倍の差がある。アメリカでは「401k」などの年金制度が充実しており、多くのアメリカ人が老後に向けて積極的に資産形成している。日本のiDeCoと似ているが、アメリカの方が積立枠が大きい。

     岩崎さんは「貯蓄から運用へ」という政府のキャッチフレーズに必ずしも賛同しておらず、「投資に関心のない人が株に手を出すとリスクがある」と指摘。投資にはリスクがあるため、リスクを取りたくない人は貯金や確定拠出年金の定期預金などで安全に運用する選択肢もあると助言する。

     岩崎さんは以前「資産運用のうまい話は無視して、まとまったお金は1000万円ずつ分けて銀行に預金する。増やすより減らさないことが大事」と慎重な立場を示していた。日本は過去30年間デフレに近い状態だったため、預金をしているだけでも生活に困る心配はなかったが、現在はインフレ傾向にあり、現金や預金の価値が毎年減少する可能性がある。円安の進行(1ドル110円から150円へ)により輸入品価格が上昇し、生活が苦しくなっている。「こうした経済環境の変化に応じて個人の生活スタイルやお金に対する考え方を調整する必要がある」と岩崎さんは言う。

     日本人は社会保障を当たり前と考える傾向があるが、持続可能なサービスを受けるためには意識改革が必要。 そんな中で、新NISAが昨年1月スタート。特に若い世代の間で投資への関心が高まっている。

     「オルカン」(オールカントリー)は世界の株価指数に合わせた人気のインデックス投資で、新NISAでは多くの人がオルカンかS&P500を選んでいる。2024年は調子が良く、若い投資家は利益を得ていたが、2025年になってからは1月株価下落と円高の影響で損失が出始めている。この状況を受けて、新NISAでの投資をやめる若者も出てきている。

     岩崎さんは、「株式投資の判断は個人の将来観に基づくべき」と強調。世界経済が良くなると信じる人はインデックスファンド投資が適切だが、「悲観的な見方をする人は株式投資を避けるべき」と言う。

     株価が下がった時に売ることは避けるべきで、むしろ安い時に買うという基本原則を守ることが重要。  株式投資の基本原則として「長期、分散、積み立て、低コスト」が初心者に適しており、特に全世界株式(オルカン)やS&P500に連動したインデックスファンドが推奨される。  インフレ対策として株式投資が有効だが、株式に抵抗がある場合は3ヵ月や6ヵ月の短期定期預金を活用して金利変動に対応する方法もある。

     投資判断は他人の意見に頼らず、自分自身で経済状況を学び、責任を持って行うべきである。

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